車椅子のこぎ方・止まり方
前方への進み方
前に進む場合、2本のタイヤの大輪の上部を、後方から前方へ押し出します。上体を起こしたままで行なうと、手は体の後方から引く動作で始まり、
上体の横を通りすぎてから押す動作に変わります。 これだと、力が入りにくく、スピードがでにくいです。
上体を前方へ傾けて、肘を曲げて上体の近くから、
腕を前方へ伸ばし切ったところまでの押す動作だけで行ないます。
後方への戻り方
後ろへ進む場合、2本のタイヤの大輪の上部を、前方から後方へ引き戻します。上体を前方へ傾けて引く動作を行なうと、腕を伸ばした状態から、肘を曲げた状態に引くことになります。
これだと、力が入りにくく、スピードがでにくいです。
背もたれに寄りかかるように、状態を後方へ倒して、肘を曲げて上体近くから、
肘を伸ばし切るように後方へ引く動作を行ないます。
止まり方やブレーキのかけ方
止まるときは、2本のタイヤの大輪をしっかり握ります。減速するときは、止まるとき同様に2本のタイヤの大輪を握りますが、握る強さで、スピードを調整します。
止まるときや減速するときは、背もたれに寄りかかるように上体を起こし、
肘を伸ばしきった上体で行ないます。
上体を前方に傾けていると、肘が曲がっていて、手も肘も力を入れなければいけなくて大変です。
また、腹筋が使えない選手は、運動の第1の法則(慣性の法則)により、手がタイヤに引っ張られ、
上体が前方に投げ出されて、転倒の可能性があります。
ボールの拾い方
前方での拾い方
床に転がっているボールを取り方の1つに、上体を傾けて両手で取る方法があります。これができるのは、腹筋が使える選手です。
腹筋が使えない選手が行なうには、座面が後方に傾いていて届かないことと、
もし、届いてもボールを持ったまま動けなくなってしまいます。
横でのボールの取り方
もうひとつの方法として、片手でタイヤの大輪の動きを利用してボールをとることができます。ここで、アナログの時計の長針(分針)の動きを思い描いてください。
(別に短針でも、秒針でもかまいませんが、長針で統一させてください。)
今、長針が12を指しているとします。
長針の先は一番高い位置にあります。
これから時間が経つに連れて、長針の先の位置は段々と下がっていき、
30分後、長針は6を指し、最も低い位置になります。
6を指したあとは、長針の先の位置は段々と上がっていき、
12を指したときに一番高い位置になります。
タイヤも段々と低くなって行くところと、高くなっていくところがあります。
車椅子が前方に進んでいる場合、タイヤの後方部分が、高くなっていきます。
これを利用して、タイヤのスポークの部分にボールを押し当て、
ボールが上方へ上がるのを利用してボールを拾います。
まずは、車椅子がぶつからない程度に左右に少しずれて、ボールの近くに寄ります。
(写真では、右手で取るために、ボールの左にずれたところを車椅子が通るようにしています。)
片手で引き寄せて、ボールをタイヤのハンドリムに当てます。
ハンドリムにボールを当て続け、タイヤの一番高い所で、手のひらを上に向けてボールを保持します。
ボールの拾い方の なんちゃって映像
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